・・・私が中学生時代にあったらよかったなと思うこと・・・ 『全員リレー』と『朝の読書』 「全員リレー」・・・体育祭にはなくてはならない最高の競技だと思います。私の中学生時代には、足が速い人しかリレーの選手にはなれませんでした。他の大勢の人はリレーには出られなかったのです。私はリレーの選手になれるほど足が速いわけではありませんでした。リレーに出られる人が光り輝いて見えて、うらやましかったことを憶えています。 でも教師になって初めて赴任した中学校では、体育祭に全員リレーがありました。たすきを頭に巻いて、バトンを持って、全力で走る中学生の姿にとても感動しました。全員リレーはひとりひとりが自分のもっている力を出しきり、クラスみんなでつくりあげるものです。一人ひとりのがんばりがその結果として現れます。そして、それがクラスのみんなを、そして観ている大勢の人々を感動させます。私は、毎年体育祭でこの全員リレーを観るのが楽しみです。それは結果として最下位であっても変わりありません。 それから、「朝の読書」・・・たった10分間ですが、その効果は大きいとつくづく思います。第一の効果は、空想の世界で自分が自由に飛び回ることができるということです。よく本が出版され人気が出ると、その作品が映画化されますね。映画はダイレクトに映像で視覚に訴えますが、本にはそれがない分、頭の中でえがく楽しみを与えてくれます。同じ作品でも読む人が違えばまた違った世界がつくられます。そして、本を読むことで自分の可能性を見つけ、改めて自分自身を知ることができるのだと思います。 第二の効果は、学校生活のスタートが心静かに落ち着いた形でスタートできるということです。朝練でふき出る汗を拭きながらでも、遅刻しそうになって駆け込み息を切らしながらでも、まずこの時間があることで落ち着いて授業へ移ることができます。 朝の読書が全国的に広まったのはこんな効果があるからでしょう。文字を追っているみなさんの姿を見て、私の中学生時代にもこんな時間があったらよかったなあと思います。
『お弁当の時間』 もうずいぶん前のこと、お弁当の時間のことを書きます。私が担任した1年生のクラスのある班の光景です。その班では、いつのまにか始まっていたのですが、毎日誰かがデザートを持ってきていました。それも自分を含めた班員の人数分です。5人班で、今日はA君がりんごを5切れ、次の日はBさんがぶどうを5粒、毎日それが自然に続いていました。だれからともなく、その班ではそんなことが始まったようです。A君はお母さんに「りんごは5切れ入れといてね」と言っていたのでしょう。そんな光景は今では残念ながら見ることができません。みんなで仲良く食べられるお弁当の時間、毎日の学校生活のふっと息の抜ける時間、みんなの心が通う時間です。残された卒業までの日々、班で仲良くお弁当を食べてください。 たまたま昨日のお昼に私が食事をした班で、串カツとウインナをお互いに交換している男子がいました。ほほえましい光景でした。 『人間のねうち』 「人間のねうちは、その人が亡くなったときに、どれだけたくさんの人が涙を流してくれるかで決まる。」と、聞いたことがあります。ということは生きている間にはわからないわけですが。どれだけ多くの人に貢献したか(どれだけ多くの人を思いやることができたか、どれだけ多くの人を助けることができたか、どれだけ多くの人に信頼されたか、・・・・・)で決まるのでしょう。
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