毎年卒園児のおうちの方が子どもたちに生の体験をさせてあげたいという思いから、いろいろな自然物を届けてくださいます。ずっと幼稚園のことを気にかけていただいている方がいるこの富田という地区は本当に温かい地域だと感じます。今回(5月23日)は、真っ黒で背中に鮮やかなオレンジのラインが入っていて、とげとげがある2センチから3センチくらいの幼虫をなんと20匹ほどいただきました。見た感じはちょっとグロテスクなのですが、その幼虫を観察ケースにうじゃうじゃといっぱい入れて持ってきてくださいました。はじめはみんな「なに、なに?」と寄ってくるのですが、いざ見てみると少しびっくりして、後ずさり・・・「この幼虫は、きれいなちょうちょになるよ。刺さないよ。触っても大丈夫」と言って、さらにいとおしそうに触って見せてくれました。少しずつ安心したのか「触ってみる!」と言って一人、また一人と触り幼虫と仲良くなっていきました。「すみれやパンジーが好きだからいっぱい食べさせたって」「オスとメスがいるから、ちょうちょになったら羽が違うでわかるわ」などいろんなことを教えてくれました。 「ちょっと近寄りがたいな!」という幼虫への見方から、地域の方からいろいろな幼虫のことを聞いて知ったことで、「なんか、おもしろそう、さわってみよう」という親しみの気持ち(見方)に変わっていきました。子どもたちの心はなんて柔らかいのでしょう。見た目や動きだけで「こわい!きらい!」と決めてしまうのでなく、身近な人の話を聞いたり、実際に見て触ってみて「かわいい」「おもしろい」と見方を変えていくことができる力が育っています。幼稚園生活の中で、いろいろな人やもの(ここでは幼虫)に出会い、実際に見たり、聞いたり、感じたりすることで見方や考え方を柔軟にしていくことがその後の人生をより豊かにしていきます。今(24日)27匹ほどがさなぎになりました。さあ、ちょうちょになる日をみんなで楽しみに待ちたいと思います。
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