バスは予定より少し早く、法隆寺近くの駐車場に到着。
子どもたちは、2列に並んで参道を歩き、「南大門」をくぐって法隆寺の境内に入りました。目の前には「中門」があり、その向こうには「五重塔」が見えています。
そんなロケーションを背景に、まずは学級別の集合写真を撮影。
横2列に並んで、ニッコリ笑顔で収まりました。
回廊の内側へ入ってからは、学級別に伽藍を見学します。
西院最古の建築「金堂」。建物は高欄の「卍崩し」、四隅の柱の「昇り龍」「下り龍」など飛鳥時代の様式が見られ、中には、法隆寺の本尊「釈迦三尊像」など国宝級の仏像が鎮座しています。
上へ向かうにつれて屋根が小さくなっていて安定感のある「五重塔」の見どころは、塔の先端に伸びている「相輪」の雷よけの「鎌」、軒の「雲肘木」。そして最下層4面の、釈迦に関する4つの説話の場面を表した塑像群。
さらに、「大講堂」、忘れちゃいけない“エンタシス”の柱。
西院伽藍の見学を終えた子どもたちは、「大宝蔵院」へ。
ここでは、班ごとに館内を巡り、しおりの「展示室ワークシート」の課題を解きながら展示物をじっくり見て回ったようです。
こんなことがありました。
2組とともに「金堂」を見学していると、付添いの教師から、ある子が腹痛を訴えて回廊で動けなくなっている、との連絡が入りました。そこに向かうと、その子は、顔をしかめておなかを押さえ、横たわっていました。どこか休めるところはないかと、受付に尋ねに行って戻ってくると、その子は、車内で飲んだ水分をもどしてしまいました。
すると、
「大丈夫ですか?どうぞ、使ってください」
と、言う声とともに、ティッシュペーパーが差し出されました。
「ありがとうございます」
と、言いながら振り返ると、声の主は、私たちの隣でバスガイドの説明を聞いていた高校生の一人でした。
苦しんでいる子を見て、迷いなく手を差し伸べる彼の優しさと気遣いをありがたく思うとともに、なんだかとてもうれしい気持ちになりました。
その後、車いすを借りて風通しのいいところで休み、様子を見てそのまま駐車場へ戻りました。
幸い、痛みは徐々に治まり、昼食会場に着く頃には体調も回復して、学級のみんなと一緒に東大寺を見学して回ることができました。