学校日記 はまだっ子の様子

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2024/07/10

3年 浮け!

Tweet ThisSend to Facebook | by 学校長
3年生が講師を招いて、“着衣水泳”を体験しました。
これは、毎年、3年生と6年生を対象に行っているもので、水辺で遊ぶ機会が増える夏休みを前に、衣服を身に着けたまま水の中に入ったらどうなるか、もしも、水の中に落ちてしまったどうしたらよいかを身をもって体験し、命を守る術を知るための活動です。
講師を務めてくれたのは、水難救助にも携わっていた元消防士のSさん。
なんと、はまだっ子のお父さんです。


Sさんが、
「友達がおぼれたら、助けたい人」
と、子どもたちに問いかけると、たくさんの子が手を挙げましたが、それに対してSさんは
「助けに行かないでください」
と言い、おぼれている人を助けに言ったらどうなるかを実演して見せてくれました。
溺れているSさんを教師が助けに行くと、教師がSさんに触れた途端、Sさんは助かりたい一心で必死に教師にしがみついて顔を上げようとするので、その動きと重みで教師が水の中に沈んでしまいました。
これから分かるように、友だちを助けたいと思う気持ちはすばらしいのですが、助けようと水の中に入ることはとても危険なことなのです。


このことを踏まえて、ここから水の中での体験です。
家から持ってきた衣服を水着の上から着て、泳ぎに自信のある子は高学年用、そうでない子は低学年用のプールサイドへ移動。
水の中に入って、水の中を歩いたり泳いだりしてみました。
水に濡れた衣服は体にべったりとひっつき、水を吸ってとても重くなっています。
泳ぎに自信があると言っていた子どもでも、泳ぎ始めてすぐに立ってしまう子もいました。
水から上がった子に、Sさんが感想を尋ねると
「いつもと違った」
「服が体にひっついて動きにくかった」
「とても泳ぎにくかった」
「上がるとき、服がとっても重かった」
と、いつもとは違って体の自由が利かず動きづらかったことを訴えていました。
中には、
「気にならなかった」
「平泳ぎは泳ぎやすかった」
という子もいましたが、それに対してSさんは
「もし、冬で、もっと服を着ていたら、全然動かせないよ」
と、厳しい条件があることを伝えていました。


次の体験は、“水に浮く”こと。
水の中に落ちてしまって岸から離れているときは、仰向けになって浮いて、助けを待つことになるからです。
まずは、何の力も借りずに、自分の体で浮いてみました。
息を大きく吸い、力を抜いて水面に寝そべるように。
プカーン
顔を水面から出し、大の字になって浮かんでいる子が何人かいますが、浮いたと思ったら足の方から沈んでいく子や、顔に水がかかって立ち上がってしまう子が大半でした。


そこで、次はペットボトルの浮力を借りて浮いてみることに。
1本の子は胸に抱いて、2本ある子はわきの下に抱えて水面に横たわると、子どもたちの体は見事に浮きました。
顔も水の上にしっかり出ているので、息をすることもできます。
うつ伏せや膝を抱えるような姿勢になっている子には、呼吸を続けられるように、仰向けになってやり直すようアドバイス。
あっちでプカーン。
こっちでユラユラ。
ラッコにでもなったような気分で、気持ちよさそうに浮いている子どもたちの群れがプールにできていました。


みんなは、プールサイドに上がり、ペットボトルを使わなくても浮けた2人の子どもとSさんがプールの中へ。
2人が浮いている様子をみんなに見せて、うまく浮いていることを誉めつつ、
「ここはプールだけど、海だったら何が違う?」
と、子どもたちに問いかけながら手で波を起こして、浮いている子の顔に水がかかるようにしました。
そう、川や海は、水の流れや波があるので、何にも頼らず浮いているのはとても難しいことなのです。
だから、友達がおぼれたら、ペットボトルなどよく浮くものを投げてあげるのです。
その時、中に少し水を入れることでまっすぐ遠くまで投げられること、長いロープがあったらそれにしばりつけて投げること、溺れている人が捕まえやすいように、その人を越えるように投げることなどを教わりました。
これまで、自分が、また、友達が水の中へ落ちたとき、命を守るために撮るべき行動を教わりましたが、最も大事なことは、そうならないように備えることです。
川や海などの水辺で遊ぶ時は、自分の命を守るために“ライフジャケット”を正しく身に着けてほしいと、Sさんは強く訴えていました。


みんな揃ってSさんにお礼を言って、着衣泳体験を終わりました。


あとは、衣服を脱いで、シャーを浴びて…。
ところが、水を含んで体にまとわりついた服とズボンを脱ぐのは、とっても大変。
べったりひっついていて、なかなか体から離れません。
体をよじって、腕をいろいろ動かして、苦労して脱いでいました。


もうすぐ夏休み。
家族で海や川へ出かけることもあると思います。
万が一に備えて、子どもたちに着衣のまま水に入ることと浮くことを体験させましたが、この時間に学んだことを生かす機会がないことを、私たちは願っています。
命を守るために、ライフジャケットを正しく装着して遊んでほしいものです。


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