朝の会の時間、1年の教室の後ろにお客さんがいました。
担任に紹介されたこの人は“図書ボランティア”さん。
朝学習の時間に教室を回って、子どもたちに絵本を読んで聞かせてくれる人たちです。
今年度最初に訪問したのは1年の各教室。
書画カメラを使って、絵本を大きくスクリーンに映しながら読んでくれました。
読み聞かせが始まると、子どもたちの目はスクリーンにくぎ付けになり、どんどん絵本の世界に入り込んでいきます。始めは背筋を伸ばした姿勢で聞いていたのに、どんどん前のめりになっていく子やその場に立とうとする子がいたほど。
野菜の断面のシルエットを見て、それが何か考える絵本では、
「答えが分かっても大きな声で言わないでね」
「心の中で言いましょう」
と、ボランティアさん、担任が言うのですが、興味いっぱいの子どもたちは、つい、
「れんこん」
などと大きな声に出してしまいました。
「やさいのせなか」という絵本を読んだ後は、「やさいのせなか」の作り方を実際にやって見せてくれました。
楽しい絵本を読んで聞かせてもらって楽しんだ、素敵な1日の始まりでした。
皆さんが市立図書館から借りてきて読んでくれた絵本は…
◇「なにをたべてきたの?」文:岸田 衿子 絵:長野 博一
ころんと太って、体は真っ白のしろぶたくんが見つけたのは、美味しそうなきれいなりんご。ペロリと食べ終わったしろぶたくんのおなかには…きれいな赤い色!今度はレモンをペロリ。更に大きなメロンもぶどうもペロリ。するとおなかには、どんどんきれいな色が並んでいきました。今度見つけたのは、せっけん。それも食べちゃうの!?食いしん坊のしろぶたくんの変身に注目。
◇「キャベツくん」文・絵:長 新太
ひたすらキャベツを食べたいブタヤマさんと、驚かせ続けながらも少しだけ同情してしまう人が好いキャベツくんの、愉快なやり取りの繰り返し。ブタヤマさんが「ブキャ!」と言うたびに、笑ってしまう、面白いお話です。
◇「やさいのおしゃべり」作:泉なほ 絵:いもと ようこ
「ぼく、すてられちゃうのかな…」ある日、れいちゃんは冷蔵庫の中でくさりかけて悲しそうにしている野菜の声を聞きました。キュウリ嫌いのれいちゃんこれ なあに」
◇「やさいのおなか」作・絵:きうち かつ
モノクロで描かれた不思議な模様。見たことあるような、ないような。一体これは何だろう?「やさいのおなか」とは野菜の断面図。これがとても美しく、当てようとすると意外に難しいのです。だってかぼちゃと言えばあの形、トマトと言えばあの色。ページをめくっていくだけで大盛り上がりの、食育の心も育める絵本です。
◇「やさいのせなか」作・絵:きうち かつ
やさいの上に紙をのせてクレヨンでこすると、やさいのせなかのふしぎな模様が現れます。さて、これはなんのやさいでしょう。想像力を思いっきり広げて、遊びながら楽しむ絵本です。
◇「いちばんどりいちぬけた」作:日隈 みさき
朝を知らせる大事な役目のいちばんどりが、ある日鳴くのをやめちゃいました。これは一大事とみんなが止めても、一族でどんどん進んでいきます。けれど、行く先々で、「いちば」や「いちりんしゃ」、「いちばんぼし」と、いちいち「いち」が気になってしまい……。いちばんどりたちの道中を、「いち」がつく言葉をちりばめた文で、テンポよく楽しむ絵本です。