教具のレジが置かれた教卓の前にズラリ1列に並んだわかくさっ子。
今から始めるのは、買い物の精算方法のおさらいです。
「おはようございます」
と、レジのスタッフに挨拶をし、
「お願いします」
と言って、買いたい品物を渡します。
おつりと品物を受け取ったら
「ありがとう」
と、お礼を言って離れます。
スーパーの精算はセルフ化が進んでいるので、実際の様子とは少し違いますが、段取りは同じです。
なぜこんな練習をしているかと言うと…
これから、学校近くのスーパーへ行って、買い物をするから。
黒板には、それぞれが買いたいものが書かれていました。
チョコ、カップラーメン、紙皿、バナナ、グミ、きび団子…
このスーパーにおうちの人とよくくる子もいて、そんな子は店内の売り場の様子が分かっているので、迷うことなくお目当ての商品が陳列されている通路へ向かいます。
予め買いたいものの銘柄を決めている子は、それが売っている売り場を探して店内を移動し、見つけたらサッと取ってかごに入れて、レジに向かいました。
銘柄を特に決めていない子は、たくさんの種類のものが並ぶ中から、欲しいものを選びます。
特に好きなものがある子はすぐに決まりましたが、そうではない子は、商品棚に並ぶたくさんの種類の中から「どれにしようかなあ?」と迷っているようでした。
買う商品を取ったら、レジへ。
教室でおさらいしたことを実践します。
「おはようございます。お願いします」
と言って、品物をカウンターの上へ。
店員さんが「ピッ」と、バーコードを読み取ったら
「○番のレジで精算してください」
と言って商品を渡し、複数ある精算機の中から使う精算機を教えてくれました。
精算機の前に立って、支払いを開始。
タッチパネルの表示を見て、その指示に従ってタッチしたりお金を入れたりして支払いが進みます。
一人でできる子は1人で自分の力で。
助けがいる子は、扱い方を教わりながら。
回転して間もなくでお客さんが少なかったこともあって、そのレジの店員さんも子どもたちの様子を見ながら、必要に応じて操作方法を教えてくれました。
トレイに出てきたおつりと、ペロッと出てきたレシートを取ったら精算は完了です。
ここでちょっと困ったのが店員さんに「ありがとう」を言うタイミング。
精算を済ませたときに言うはずだったのですが、その相手は“機械”。
タイミングを失って言えずじまいになってしまったのですが、中に、
「機械に言っておいたよ」
という子が。
相手が人であろうと機械であろうと、「売ってくれてありがとう」という気持ちをお店に伝えるのが大事なこと。
この子の気持ちは絶対に伝わりますよ。
精算を終えたのに、近くの精算機から離れない子がいました。
精算機内部の点検と掃除をしているところが気になったのです。
ジーッと見つめるその子に店員さんが、手で握ってシュッシュッと空気を吹き出すエアーダスターを貸してくれると、嬉しそうに精算機の中の機械に空気を吹きかけていました。
買い物を終えた子どもたちは、用意してきた“エコバッグ”に品物を入れてお店の外へでて、先生や友達と買ったものを見せ合っていました。
いつもは、スーパーで買い物をするのは、おうちの人と一緒だと思いますが、これで、頼まれたお使いを一人でできるかもしれませんね。
買い物の自信はついたかな。