~金管5重奏の生演奏に全校児童が魅了されました~
「学び舎音楽会」は,(財)四日市市まちづくり振興事業団がアウトリサーチ事業(四日市市文化会館から地域や学校へ芸術活動の幅を広げる)の一環として実施するもので,毎年,市内の小学校と中学校を対象に,プロの音楽家による良質な音楽をお届けくださっています。
今年は大矢知興譲小学校に,金管5重奏「ブラスアンサンブル・ロゼ」の皆さんにお越しいただき,トランペット(稲垣路子さん,近藤万里子さん),ホルン(杉浦美紀さん),トロンボーン(照喜名有希子さん),チューバ(加藤日名子さん)による迫力ある演奏をご披露いただきました。
まずは,本会の進行をお世話くださる坂早苗さんのご挨拶。続いて,真っ赤なドレスを身に付けたロゼの皆さんが,体育館入り口から登場。会場一杯に並んでいる子どもたちの中を,それぞれの楽器で“ワシントン・ポスト(行進曲)”を演奏しながら,正面に用意された特設ステージに向かってゆっくりと進みます。
ステージ登壇後の1曲目は,アメリカの民謡を散りばめた行進曲“アメリカン・パトロール”。5人が金管楽器を操るその指先は,繊細かつ小気味のよい動作を続けているにもかかわらず,曲想に応じた強弱や緩急の変化のいずれにも息ピッタリの演奏は,まさにプロならではの醍醐味でした。
続くは,楽器の紹介です。誰もが一度は耳にしたことのある名曲を,トランペット,ホルン,トロンボーン,チューバの順で演奏され,それぞれの楽器の特徴や役割を体感することができました。さらに驚かされたのは,ホルンやチューバの金管部分と同じ長さのビニルホースを用いた演奏です。音孔やバルブのない,普通のホースに取り付けられた「じょうご(漏斗)」の先から見事なメロディが流れます。うかがえば,口を締めたり,緩めたりすることで音階が調整できるそうです。
楽器紹介の後は,子どもたち一番のお気に入りとなった,チューバを主役とする“動物の謝肉祭「象」”を演奏くださいました。また,フォスターの“草競馬”では,情景がイメージできるようにと,場面ごとに戯れる馬の様子が,スクリーンに映し出されました。
お楽しみは,まだまだ続き,“アブラハムの子”にあわせた音遊びです。途中で何度となくリズムが変わったりする中を,子どもたちは,ロゼの皆さんの演奏に合わせて,懸命に手足を動かしました。体もほぐれ,いよいよ児童の歌声とのコラボ実現です。4年生以上の“ビリーブ”と,全学年参加の“夢の世界を”の2曲を,生演奏にあわせて,声の限りに歌いました。
最後は,ロゼの皆さんが,この日のためにご用意くださった“エワルド金管5重奏”です。小学生ではありながら,奏者と一体となった音楽の味わい方は,大人を対象とする音楽会での反応と何ら変わるところはありません。これこそが“本物”の証で,相手の年齢や経験に関係なく,すべてを魅了するスケールの大きさを感じました。
アンコール曲は,まさかのサプライズ。プロの演奏にあわせた全校児童と職員による校歌斉唱です。鳥肌が立つくらいの感動でした。