毎週水曜日に低学年の各教室で絵本の読み聞かせをしてくださっているボランティアグループ“読りぃ夢”さんが,1限目に1・2・3組,2限目に4・5組の1年生の子どもたちを前に,大型絵本に効果音(ピアノや打楽器)を加えた読み聞かせをしてくださいました。
今回ご披露いただいたのは,全4作品。まずは,『ゆうたはともだち(きたやまようこ作)』です。このお話は,全編が男の子と犬との掛け合いで構成されています。単純明快かつ変化のある繰り返しが,子どもたちをとりこにして放しません。さらには,その後方で一緒に聴き入る保護者の皆様も,1年生の子どもたちと同様に,何とも満たされた笑顔に包まれています。こうした光景に触れるにつけても,“読み聞かせ”は子どもたちのためだけにあるのではなく,私たち大人にとっても極めて贅沢な時間であることを実感します。
2作目は,『999ひきのきょうだいのおひっこし(木村研作)』。春,小さな池に999ひきのたまごをうんだかえるのおかあさん。子どもたちの成長とともに次第に池が手狭になり,思い切ってお引っ越し。ところが途中でお父さんが「とんび」に捕まり,それを助けようとしたお母さん,さらには999ひきの子どもたちが空へと舞い上がって,さあ大変…。ハラハラドキドキの展開に,子どもたちからは,驚きの声や笑い声が,何度も何度も飛び出しました。
3作目は,『きょだいなきょだいな(長谷川摂子作)』。「あったとさぁ~,あったとさ。広い野原のど真ん中。巨大な○○あったとさ。」と,子守歌のような優しい語り口で繰り返される○○に登場するのは,ピアノに石けん,電話などなど。そのたびに,子どもが100人やってきて,巨大な○○で思いきり遊びます。リズミカルな言葉と画面一杯の迫力ある絵に,誰もが引き込まれます。
最後は,『おまえうまそうだな(宮西達也作)』。題名の紹介と同時に,子どもたちからは「知っとる~。」の声があちらこちらから聞こえます。でも,お話が始まると…。誰もが食い入るように絵本に注目。一言たりとも聞き逃すまいと夢中になっている様は,背筋を伸ばし,頭も揺らさない後姿にも表れています。つまりは,子どもたちにとっての魅力とは,その作品を知っているかどうかではなく,むしろ,いい作品を何度も聴く(読む)ことによって,そのよさ(感動)を染み込ませていくということです。まさに「読書百篇」の言葉のとおりです。
もちろん今回の感動は,“読りぃ夢”の皆さんの臨場感あふれる演出(役割読みやピアノ伴奏,打楽器による効果音など)を抜きには語れませんが…。