四日市市立山手中学

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2019/02/25

県立高校前期選抜 数学の問題 その3

| by 山手中     
県立高校の前期選抜の数学の問題を少し掘り下げてみます。
前期選抜学力検査問題等(平成31年2月7日(木)実施)

今回は、1番の(8)の平均を求める問題です。

1年生の1次方程式や2年生の連立方程式で解けます。
1次方程式だと、81χ+88(70-χ)=84.4×70 となります。
連立方程式だと、χ+y=70,81χ+88y=84.4×70 となります。
計算はやや面倒ですが、きちんと解いていけば、必ず答えは出ます。

これを解くのにちょっとしたテクニックを紹介します。
因数分解(分配法則)を使い、最後まで計算せずに解く方法です。具体的には下のようにします。
81χ+88×70-88χ=84.4×70 かっこは外しますが、計算しません。
81χ-88χ=84.4×70-88×70 移項します。
-7χ=(84.4-88)×70  右辺は70でくくります。
-7χ=-3.6×70  右辺のかっこの中を計算します。
χ=3.6×10  両辺を-7で割ります。
χ=36  と求められます。
84.4×70-88×70の計算をしなくて済みますので、計算ミスも減り、時間も節約できます。
「何とか楽に計算できないかは?」「もっといい方法はないかな?」など、普段からこういった視点を持つことで数学の力が伸びていきます。

さらに、実はこの問題、方程式を使わなくても解くことができます。
考えやすくするため、A組の生徒が全員81点で、B組の生徒が全員88点だったとします。
また、ありえないのですが、全員がA組であれば全体の平均点も81点ですし、全員がB組であれば全体の平均点はも88点となります。
また、A組とB組の人数が同じであれば、81点と88点の中央(81+88)÷2=84.5点になります。
図に表すと下のようになります。

さて、A組の生徒が1人減って、B組の生徒が1名増えると全体の合計点は7点上がります。全体で7点上がるということは、平均点は7÷70=0.1点上がります。
逆にB組の生徒が1名減って、A組の生徒が1名増えると、全体の点数は7点下がるので、全体の平均点は0.1点下がります。
1人移動すると全体で7点増減するので、70人の平均点は0.1点変化します。

問題に戻ると、84.4点が全体の平均点になるには、A組B組ともに35人の場合の84.5点より0.1点低いわけですから、A組の人数が1名増えるといいわけです。つまり、A組の人数は36人ということがわかります。

このように、順番に考えていけば求めることはできます。
しかし、1次方程式や連立方程式を使えば、式さえ立てれば、あとは機械的に処理を進めていけば答えは出ます。
ましてや試験中の短い時間で順番に考えていくことは、かなり難しいことでしょう。
方程式ってかなり便利ものです。
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