春の訪れは三寒四温、といいますが、この頃の気温差は、体調管理しずらくて大変です。また、新型コロナウィルスが世界中に広がり、終息の兆しが見られず、心配です。
そんな中、先日の大雨の日にこんなことがありました。
大粒の雨が強い風に吹かれて、テラスに降り込んできました。何度拭いても、降り込んできて・・・ テラスを拭きながら、先生方は子ども達に、「雨が降って、テラスが滑りやすくなっているから、気をつけようね」と声をかけていました。 日々の園生活のなかでも、テラスを走ると危ないことは先生から教えてもらっていますが、この日は特に滑りやすい状況だったので、先生は、子ども達に声をかけていたのでした。
それでも・・・ つい小走りになってしまった4歳児の子。勢いはなかったのですが、滑って転んでしまいました。その子は、転んで痛かった、というよりは、先生から、気を付けてね、と言われたのに小走りしてしまったことを後悔したのでしょう。涙が止まりません。職員室で気持ちを落ち着けていたとき、5歳児が3人、食事の時のお茶のやかんを戻しに職員室に入ってきました。
5歳児3人は、なぜその子が泣いているのか、ちゃんと知っています。一人の子がそっと近づいてきて、座っている4歳児に合わせてかがんで、「これからは、走ったらあかんよ」と小さな声でそっと伝えていました。もう一人の子は、職員室を出るとき、「お部屋で待ってるからね」と声をかけていました。
その優しさに触れ、自分が小走りをして転んでしまったことがよけい悔やまれたのでしょうか、転んだ子は泣き声が大きくなりました。「転んじゃったけど、大きい組さんが、心配してくれていたね。大丈夫、今度から気を付けたらいいね」と伝えると、安心したのか、やっと笑顔が戻りました。
毎日共に過ごしている子ども達だからこそ、友だちのことをよく知り、言葉をかけあえるのだと思います。そのかける言葉の温かさに、子ども達の心の成長を感じます。言葉をかけてもらった○ちゃんも、きっと次は、自分がその言葉をかけてくれることと思います。園での生活を経験しているからこそ得られる、気持ちの継承だとも思いました。
転んで心がちょっぴり痛かった○ちゃんですが、そのおかげで、温かい気持ちのプレゼントを受けとることができた日でもありました。
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